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神奈川県の南西部に位置する県内で2番目に小さな港町。
人口7,713人、世帯数3,473戸(2016/02/01現在)。
上空からみると鶴が翼を広げたような形状をしている。真鶴町の南部には箱根外輪山の岐脈が遠く突出し、真鶴半島を形成し美しい風景をつくり出している。半島部分と東部の新島高地との中間に広がっている南東斜面が真鶴町の中心となっており、この地域は、更に小起伏により、真鶴地区と岩地区に分かれている。(真鶴町公式Webサイトより引用)

・真鶴半島

魚付き保安林として豊かな漁場を形成する県立自然公園。突端には名勝「三ツ石」があり、引き潮時には陸続きとなる。江戸時代に資材を確保するために小田原藩が15万本の植樹したことにより緑が形成された。明治時代には皇室御料林であったことから、町民は町の象徴として「御林」と呼ぶ。

・石の町

本小松石の産地である真鶴は古くは石材業が盛んで、今も町の各所には石垣の擁壁等その面影を残している。夏目漱石は『眞鶴行』という日記内で「悉く石丈で畳んである。路丈は何だか伊太利邊の小さな漁村にでも来たような心持ちである」と記した。

・主要産業

石材業(本小松石の産地)、漁業(特産品は鯵の干物)、農業(主にみかん)の3産業に加え、現在は観光業に注力している。

・美の条例

真鶴町まちづくり条例は、今後の真鶴町の発展の方向性を「美の基準」というユニークな手法によって示した。8つの原則と69のキーワードから成る「美の基準」は、イギリスの歴史的建築物が次々と取り壊されていく現状を憂いたチャールズ皇太子が著した『英国の未来像』における「建築の10原則」と、クリストファー・アレグザンダーが「名付け得られぬ質」の創造に着想を得て作成された。この美の基準(デザイン・コード)は真鶴町の住民が昔から受け継いできた「生活が息づくための作法」を謳っている。真鶴独自の景観を形成する「美の基準」が、真鶴まちなーれの「コンセプト」となっている。

・真鶴町の独自の景観に対する評価

世界デザイン都市サミット「草の根デザイン実験都市」
日本都市計画学会「計画設計奨励賞」及び「まちづくり学会賞」受賞
水彩画家の三宅克己 「日本のリビエラ」と賞する
法政大学エコ地域デザイン研究所 イタリアのポルトフィーノとの類似性を指摘
後藤春彦『生活景』

・日本三大船祭り

真鶴「貴船祭り」国指定重要無形民俗文化財

・物語の舞台

夏目漱石『眞鶴行』、芥川龍之介『トロッコ』、川上弘美『真鶴』

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真鶴まちなーれのアートやワークショップを踏まえたまち歩きは、真鶴独自の景観を形成している「美の基準」がコンセプトになっています。

今から20年前、真鶴町に一冊の冊子「美の基準」デザインコードが生まれました。冊子を開くと真鶴町の美しさがいきいきとした言葉で綴られています。静かな背戸。ふだんの緑。さわれる花。少し見える庭。実のなる木。真鶴生活の息遣いが感じられ、目を閉じるとその風景が思い浮かんでいきます。“背戸道”と呼ばれる真鶴の町中に広がる路地に入ると、想い想いで彩られたプランターや花壇、鉢植え等の小さな緑やさわれる花に出会う。ほどよく人の気配を感じるお庭には、柑橘系の匂いが香る実のなる木が植わっている。〜人の気配。お年寄り。子供の家。小さな人だまり。そして、店先学校〜人の気配を感じることができる素朴な家並み。お年寄りや子供たちが人だまりをつくって笑い合う。漁師さんが網を繕い、石屋が石を磨く。人の営みが真鶴町の風景を息づかせます。美の基準は、様式美ではなく、真鶴町の生活を息づかせる作法を謳うデザインコードです。

※美の基準は平成6年に施行された真鶴町まちづくり条例で定められたデザインコードです。イギリスのチャールズ皇太子が著した「英国の未来像-建築に関する考察」の美の10原則、クリストファー・アレグザンダーが著した「パタンランゲージ-環境設計の手法」に学んで作成されました。条例で美の8原則とそれを具現化する「美の基準デザインコード」が定められています。真鶴町まちづくり条例は通称“美の条例”と呼ばれています。

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美の基準 -八原則-

私たちは【場所】を尊重することにより、
その歴史、文化、風土を町や建築の各部に【格づけ】し、
それらの各部の【尺度】のつながりを持って青い海、輝く森といった自然、
美しい建物の部分の共演による【調和】の創造を図る。
それらは真鶴町の大地、生活が生み出す【材料】に育まれ
【装飾と芸術】という、人々に深い慈愛や楽しみをもたらす真鶴町独自の質に支えられ、
町共通の誇りとしてコミュニティを守り育てるための権利、義務、自由を生きづかせる。
これらの全体は真鶴町の人々、町並、自然の美しい【眺め】に抱擁されるであろう。

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場所
place

―基本的精神―
建築が場所を尊重し、風景を支配しないようにしなければならない。

―手がかり―
場所の尊重、地勢、輪郭、地味、雰囲気

―キーワード―
聖なる所、豊かな植生、眺める場所、静かな背戸、 海と触れる場所、
斜面地、敷地の修復、生きてる屋外

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格付け
grade

―基本的精神―
建築は私たちの場所の記憶を再現し、私たちの町を表現するものである。

―手がかり―
格付けのすすめ、歴史、文化、風土、領域

―キーワード―
海の仕事、山の仕事、見通し、大きな門口、母屋、門・玄関、
転換場所、建物の緑、壁の感触、柱の雰囲気、柱と窓の大きさ

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尺度
scale

―基本的精神―
すべての物の基準は人間である。
建築はまず、人間の大きさと調和した比率をもち、
次に周囲の建物を尊重しなければならない。

―手がかり―
尺度の考慮、手のひら、人間、木、森、丘、海

―キーワード―
斜面に沿う形、見つけの高さ、段階的な外部の大きさ、
跡地とのつながり、重なる細部、部材の接点、終わりの所、窓の組み子

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調和
harmony

―基本的精神―
建築は青い海と輝く緑の自然に調和し、
かつ町全体と調和しなければならない。

―手がかり―
調和していること、自然、生態、建物各部、建物どうし

―キーワード―
舞い降りる屋根、守りの屋根、覆う緑、ふさわしい色、青空階段、
日の恵、北側、大きなバルコニー、 少し見える庭、ほどよい駐車場、
木々の印象、地場植物、実のなる木、格子棚の植物、歩行路の生態

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材料
material

―基本的精神―
建築は町の材料を活かして作らなければならない。

―手がかり―
材料の選択、地場産、自然、非工業生産品

―キーワード―
自然な材料、地の生む材料、活きている材料

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装飾と芸術
ornament and art

―基本的精神―
建築には装飾が必要であり、私たちは町に独自な装飾を作り出す。
芸術は人の心を豊かにする。建物は芸術と一体化しなければならない。

―手がかり―
豊かな細部、真鶴独自の装飾、芸術

―キーワード―
装飾、軒先、軒裏、屋根飾り、ほぼ中心の焦点、
歩く目標、森、海、大地、生活の印象

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コミュニティー
community

―基本的精神―
建築は人々のコミュニティを守り育てるためにある。
人々は建築に参加するべきであり、
コミュニティを守り育てる権利と義務を有する。

―手がかり―
コミュニティの保全、生活共域、生活環境、生涯学習

―キーワード―
世帯の混合、人の気配、お年寄り、店先学校、子供の家、外廊、
小さな人だまり、街路を見下ろすテラス、街路に向かう窓、
座れる階段、ふだんの緑、さわれる花

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眺め
view

―基本的精神―
建築は人々の眺めの中にあり、
美しい眺めを育てるためにあらゆる努力をしなければならない。

―手がかり―
眺めの創造、真鶴町の眺め、人々が生きづく眺め

―キーワード―
まつり、できごと、にぎわい、いぶき、懐かしい町並み、夜光虫、眺め

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